豊かな食生活を誇るわが国では、貧血は「過去のもの」と思われてきました。
実際、本会が小学生から大学生までを対象に1966年から実施をしてきた貧血検査でも、当初25%にものぼった貧血の子どもの割合は着実に減少していました。
ところが、1990年頃を境に再び貧血の子どもが増え始めました。
治療を必要とする貧血の子どもが増えているのはもちろんですが、特に、中学生・高校生の女子で貧血一歩手前の「潜在性鉄欠乏状態」にある子どもが非常に多くなっています。
また、最近の研究では、潜在性鉄欠乏状態によって注意力や集中力の低下、学習能力の低下などが起こっていることがわかってきています。
ダイエットや食生活の偏りが問題となっている今こそ、貧血検査には重要な意義があると言えるでしょう。