胃がん検診

胃がんとは

胃がんは、胃の壁の一番内側にある胃液や粘液を分泌する粘膜から発生する悪性の腫瘍です。粘膜から外側にがんが広がっていくことを「浸潤」と呼び、外側への浸潤の程度により、大きく分けて「早期胃がん」と「進行胃がん」の2つに分けられます。はじめは細胞レベルの大きさですが、数年かけてある程度の大きさになると発見可能になります。
胃がんの罹患率、死亡率を、年齢別にみた場合、ともに40歳代後半から増加し始め、男性のほうが女性より高くなります。早期胃がんの多くは無症状です。毎年、定期的に検診を受診し、早期に発見することが重要になります。また、胃がん発生については、いくつかのリスク要因が指摘されています。喫煙や過度な塩分摂取、ヘリコバクター・ピロリ菌の持続感染などが胃がんリスクを高めると言われています。検診を受診するだけでなく、日頃から禁煙・減塩などをこころがけることが大切です。
(引用 胃がん基礎知識:がん情報サービス)

本邦の胃がん検診について

本邦の胃がん検診は、救命可能な胃がんの発見を目的に胃X線検査が盛んに行われてきた歴史があります。1994年度より本会では、より正確な診断を行うために、他に先駆けて高濃度・低粘度粉末造影剤を使用し、二重造影法を中心とした上部消化管造影検査を行ってきました。その実績が認められ、2002年に日本消化器がん検診学会は、本会の撮影法を対策型検診(住民検診など)における新・撮影法(8枚法)として採用し、現在では基準撮影法として多くの施設で導入されるようになりました。

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胃部X線検査の注意点

胃X線検査では、このような方は検査を受けられません
・妊娠中または妊娠の可能性がある方
・バリウムによるアレルギー症状の既往歴のある方
バリウム使用後の重篤な副作用としてアレルギー症状がでることがあります。じんましん、喉がつまる、息苦しい、顔色が青白くなる、嘔吐などの症状が出たら、すぐに医療機関にかかり、胃X線検査を受けたことを告げ、処置してもらうようお願いいたします。
・腸閉塞・腸ねん転・大腸憩室炎などの既往がある方
・現在、胃や腸の病気で通院中の方
・水分摂取の制限がある方

より安心して検査を受けて頂くために、胃X線検査を受けられない場合があります。
・体調不良の方
・自立歩行が困難な方、骨折などのため動きにくい方
・検査当日の血圧が高い方
・脳卒中などによる麻痺や運動障害があり、寝返りができない方
・日常生活でよくむせたり、バリウムが気管支に入ったことがある方
誤嚥により、バリウムと一緒に細菌が入り、発熱や肺炎をひきおこす恐れがあります。
・過去にバリウム服用後、気分が悪くなり検査を中断したことがある方
・病気治療・通院中の方は胃X線検査を受けてよいか、事前に主治医に確認してからお受け下さい。

胃X線検査の準備(食事・水分・薬について)
・検査の12時間前までに食事を済ませて下さい。それ以降は、飲食・喫煙は禁止です。検査3時間前でしたら少量のお水(200ml以内)に限り飲んでいただいても構いません。
・医師から処方されている薬は、検査3時間前までに服用してください。:高血圧・心臓(狭心症など)・気管支喘息・脳血管障害・てんかん・甲状腺の薬など。
※主治医から決まった時間に内服するように言われている薬は、主治医にご相談の上お飲みください。
・糖尿病の薬は当日の朝は服用しないで下さい。
食事制限があるため、低血糖を起こす可能性があります。念のため飴などを持参して検査を受けてください。
・薬を服用された方は、検査前にお申し出ください。

胃X線検査後の注意
・検査後、バリウムを排泄するために下剤をお渡しします。添付の説明書をよくお読みになり服用してください。
・検査後は便秘を防ぐために、下剤と一緒に多めの水分(コップ2、3杯)をとること、また食事も早目に食べていただき、バリウムを排出しやすい状態にして下さい。
・飲酒により便が固まる可能性があります。バリウムがすべて排出されるまでは、飲酒を控えて下さい。
・普段から便秘しやすい方は、スタッフまでお申し出ください。

胃内視鏡検査の注意点

血液が固まらないようにする薬を服用されている方へ

ワーファリン・パナルジン・バイアスピリン・プロレナール・バファリン(81mg錠)
プレタール・ペルサンチンなどの血液が固まらないようにする薬を飲んでいると、血小板に作用し、血が止まりにくくなるため、生検(組織を採取して調べる検査)ができません。
内服中の方は、検査前に内服中止が可能かどうか、事前に主治医にご相談ください。

検査前日
・夕食は夜9時頃までに済ませ、なるべく消化の良いものを食べ、お酒などのアルコール類は飲まないようにしてください。
・風邪をひいて発熱したり、喉の痛み、鼻閉感、せきなどが強い場合は検査を延期してください。

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検査当日
1.当日は、空腹のままでタバコなどもとらずにおいでください。
2.検査の3時間前迄は、水・お茶のみ飲んでもかまいません。
なお、それ以降でも薬を飲む程度の水は飲んでもかまいません。
3.糖尿病の薬は飲まないでください。
4.緊張することにより血圧が上がったり、症状が悪化する可能性があるため、心臓、血圧の薬は必ず飲んでください。
5.車での来館はご遠慮ください。
6.クリニック受付に内視鏡検査問診票、検査同意書をお出しください。

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検査終了後
①注意書きをお渡しし、注意事項の説明をいたします。
②口をすすぐのはよいですが、1~2時間は絶食し、喫煙を避けてください。
③組織をとる検査をされた方は、30分位休んでからお帰りください。
なお、当日にアルコール類や刺激物はとらないでください。

その他の胃がん検診

ペプシノゲン法
胃がんの多くは、萎縮(老化)の進んだ胃粘膜「萎縮性胃炎」から発生することから、血液中のペプシノゲン値を測定し、胃粘膜の萎縮の程度を調べる検査です。胃がんそのものを診断する検査方法ではありません。次に述べるヘリコバクター・ピロリ菌の除菌により、ペプシノゲン値が正常になることがあります。

ヘリコバクター・ピロリ抗体検査
ヘリコバクター・ピロリ菌は幼少期に感染し、その後、自然に除菌されることはほとんどありません。胃の中に長い間生息して胃粘膜に慢性的な炎症を起こすことがわかり、胃・十二指腸潰瘍、胃がんとの関連が明らかになってきました。感染しているすべての人が胃がんになるわけではありませが、持続感染は胃がん、胃潰瘍の大きなリスク要因とされています。この検査では、血液検査で感染しているかどうかを判定し、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療を行う事があります。

ABC検診(胃がんハイリスク検診)
ABC検診とは、ペプシノゲン法とヘリコバクター・ピロリ抗体検査の判定の組み合わせをA・B・C・Dの4つに区分し、胃がんリスクを判定する検診です。リスクの高い方は、定期的な胃内視鏡検査で管理します。

A ピロリ菌感染がなく、胃粘膜の萎縮のない群 健康的な胃粘膜で、胃疾患のリスクは低いと考えられます。
B ピロリ菌感染があるも、萎縮の進んでいない群 消化性潰瘍などに留意する必要があります。
C 胃がんのリスクが高度と考えられます。 1年~2年毎に胃内視鏡検査を受診して下さい。
D 胃がんのリスクがより高度と考えられます。 毎年、胃内視鏡検査を受診して下さい。

ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌により、B〜D群がA群に戻ることがあります。胃がん検診で発見された胃がんの約2割がリスクの低いとされるA群であったという報告もあるようです。特に除菌後の方は、A群になったからといってそのままにせず、胃内視鏡検査などで引き続き定期的な検査を行って下さい。