肺がん検診

肺がんとは

肺がんは、気管、気管支から肺胞までの空気の通り道にある細胞がタバコの煙などの外部からの刺激でがん化したものです。肺胞に近い部分から出たがんは肺の中にとどまる間にはほとんど症状は出ませんが、肺を包む膜を破って肺の外まで広がると胸や肩が痛むようになり、胸水が溜まったり、リンパ腺が腫れて気管支の太い部分を締め付けたりすると呼吸が苦しくなります。気管支の太い部分から発生すると、すぐに咳や血痰が出たり息苦しくなったりします。いずれのタイプでもさらに大きくなると、脳や肝臓、骨など全身のあらゆる臓器に転移を生じ、転移先の部位に応じた症状を出すようになります。
肺がんの原因としてはタバコが最も強力で、吸わない人に比べ5倍前後高くなり、喫煙している本人だけでなく、受動喫煙により、喫煙する夫の妻はたとえ本人は吸わなくても、吸わない夫を持つ女性に比べて肺がんで死亡する率は2倍になると言われています。
がんによる死亡者のなかで現在最も多いのは肺がんですが、患者さんは一番多いわけではなく、男性では胃がんや大腸がん、女性では乳がんや大腸がんのほうが多くなっています。しかし肺がんはこれらのがんよりも死亡率が高いので亡くなる患者さんの数は最も多くなっています。
しかし、どのようながんに早期の時期は必ずあり、その時点でみつけて確実な治療を行えば、ほとんどの方は助かることができます。肺がんにおいても早期発見、早期治療が重要です。

肺がんの発見方法

肺がんの早期発見のために、胸部X線写真と低線量CTと喀痰細胞診が行われています。
肺の奥から発生するがんは胸部X線写真を撮影すると、肺の黒い部分に白あるいは灰色の影として認められます。ただしX線写真では、心臓や肺門、あるいは肋骨などに重なる部分の肺にできたがんに対しては発見が困難な場合も少なくありません。

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CT撮影では体を輪切りにしたような写真を読影することができるので、心臓などに重なって見えにくいということがなくなり、より小型のがんを発見することも可能になります。通常、病院などで撮影するCTの被ばく量はやや多く、胸部X線の100倍程度とされていますが、本会で行っている「低線量CT」では、10分の1程度まで下げることが可能になっています。

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一方、直径が5ミリ程度以上の比較的太い気管支からがんができた場合には、X線やCTでも写りにくいのですが、痰の中にがん細胞がこぼれ落ちてくることがありますので、これを探し出そうとするのが喀痰細胞診です。この検査では、朝起きた直後の状態で軽くうがいなどしてから、大きな咳をしてから容器に痰を吐き出し、容器の口をしっかり閉めて提出してください。
この部分にがんができるのは、1日20本以上を30年以上吸い続けた重喫煙者、あるいは、タバコをやめてから10年以内程度の過去喫煙者に明らかに多いので、該当する人は積極的に痰の細胞診検査を受けることが重要です。このような「肺門部がん」に対しては肺を切除することなく、気管支鏡でレーザーを照射することだけでも治すこともできますので、早期発見は非常に重要な意味があります。